和歌山県北部で家を建てる、あるいは購入する予定がある方にとって、見逃せないのが自治体独自の補助金制度です。

同じ和歌山県内でも、市によって使える制度や条件は大きく異なります。


今回は和歌山市・岩出市・紀の川市の3市について、住宅取得に関する補助金制度を比較してみました。

結論から言うと、「誰でも申請しやすい制度の充実度」という点では紀の川市が頭ひとつ抜けています


それぞれの制度を見ていきましょう。


和歌山市の住宅取得支援制度

和歌山市にも住宅取得を後押しする制度はありますが、いずれも対象者がかなり限定されています。


三世代ファミリー助成金

市外に住む子世帯が、和歌山市内で三世代同居または近居のための住宅を新たに取得したりリフォームしたりする場合に、費用の一部を助成する制度です。同居・近居を受け入れる親世帯は、申請日時点で3年以上継続して市内に住民登録していることなどが条件になります。

単身や夫婦二人で家を建てたい場合には使えません。


結婚新生活支援事業

新婚世帯向けの制度で、新居の購入費や引っ越し費用の一部を補助してもらえます。

ただし直近年の夫婦の所得合計が500万円未満であることなど、複数の所得・年齢要件(婚姻日に夫婦共39歳以下)を満たす必要があります。

共働きで一定以上の収入がある世帯は対象外になりやすい制度です。



移住者空き家改修等補助金

空き家バンク経由で空き家を取得した、県外から市内へ移住してきた方を対象に、リフォーム費用や家財処分費を補助する制度です。

もっとも、2026年度の募集枠はわずか2件のみで、対象は県外からの移住者に限られ、県内での引っ越しは対象外です。

狙って使うにはハードルが高い制度と言えます。

本記事執筆時点(2026年9月10日)では、まだ募集枠はあるようです。


岩出市の住宅取得支援制度


結婚新生活支援補助金

婚姻に伴う経済的負担を軽減するため、住宅購入費の一部を補助する制度です。

和歌山市と同様、新婚世帯限定かつ所得制限がある点に注意が必要です。


移住支援金

東京圏から岩出市へ移住し、県のマッチング支援対象求人への就職や起業支援金の交付決定など、就業面の要件を満たした場合に支給される制度です。

対象は東京圏(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)からの転入者に限定されており、近畿圏内での移動や地元からの住み替えでは使えません。

※本記事執筆時点(2026年9月10日)では、令和8年度以降の申請受付は開始されていません。

紀の川市の住宅取得支援制度

一方、紀の川市には年齢さえ満たせば誰でも申請できる住宅取得の奨励金があり、他の2市に比べて格段に使いやすくなっています。


若者定住促進住宅取得奨励金

紀の川市独自の目玉制度がこちらです。

登記受付年月日において45歳未満であることなど所定の要件を満たせば、基礎額として30万円が交付されます。

さらに条件を満たせば加算があり、申請者世帯に児童が1人でもいれば10万円、転入者が1人でもいれば10万円がそれぞれ加算され、申請上限額は50万円です。


この制度が優れているのは、以下の点です。


  • 所得制限がない(和歌山市・岩出市の新婚支援は所得制限あり)
  • 婚姻や三世代同居などの縛りがない(単身・夫婦のみの世帯でも対象)
  • 市外からの転入者だけでなく、市内在住者の住宅取得も対象
  • 新築・中古いずれの取得でも対象(床面積50㎡以上などの基準あり)
  • 45歳未満という条件だけクリアすれば、子育て世帯でなくても基礎額30万円がもらえる


なお、対象となるのは令和8年1月1日から令和8年12月31日までに登記を受けた住宅で、登記のあった年の4月1日から翌年1月31日までに申請する必要があります。年度が変わると要件が更新される可能性があるため、購入・新築のタイミングは早めに市の地域創生課へ確認しておくと安心です。


定住促進支援事業補助金(空き家の取得・リフォームにも対応)

空き家バンク経由で中古の空き家を購入して移住する場合には、こちらの制度も活用できます。

5年以上定住する意思のある移住者・移住予定者を対象に、リフォーム工事費は補助対象経費の3分の2以内(上限60万円)、引っ越し代は全額(上限10万円)が補助されます。

また、空き家バンクを通じて成約した物件の家財・家具の片付け費用についても、全額(上限10万円)の補助を受けられる「空き家片付け支援事業」も用意されています。


つまり紀の川市の場合、若者定住促進住宅取得奨励金(最大50万円)と、空き家活用時の定住促進支援事業補助金(リフォーム最大60万円+引っ越し10万円)を組み合わせれば、条件次第で100万円以上の支援を受けられる可能性があるということです。

こうして調べてみると、和歌山市・岩出市の制度は「新婚世帯限定」「県外・東京圏からの移住者限定」「年間数件のみ」といった条件が付きやすく、当てはまる人がかなり限られることが分かります。


対して紀の川市は、年齢要件さえ満たせば新築・中古を問わず住宅取得そのものを後押ししてくれる制度が用意されており、子育て世帯でも単身・夫婦のみの世帯でも申請しやすいのが大きな魅力です。

空き家を選べば、さらにリフォーム費用や引っ越し費用まで手厚くカバーされます。


さいごに

補助金・助成金の制度内容や条件、予算枠、申請期間は年度ごとに見直されるため、実際に申請する際は必ず各市の担当窓口で最新情報を確認してください。

  • 和歌山市:都市建設局 建築住宅部 耐震・空家対策課/こども未来部 子育て支援課
  • 岩出市:担当課(結婚・移住定住支援窓口)
  • 紀の川市:企画部 地域創生課


これから和歌山県北部でのマイホーム計画を考えている方は、まず紀の川市の「若者定住促進住宅取得奨励金」と「定住促進支援事業補助金」が使えるかどうか、お早めに確認してみることをおすすめします。

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